若桜鉄道沿線人口3万人でもガンバル鳥取県の第三セクター
2003年7月に探訪 2022年3月に再訪

 沿線人口はわずか3万人、競合するバス路線があり、乗客の60%は通学生である。鉄道を支える基盤は弱いが、地元の鉄道を残そうという熱意と鳥取までの乗り入れ(11往復中7往復)で何とかがんばっている。町長が鉄道の社長を兼ねる若桜町が存続に特に力を入れているようである。若桜鉄道乗車運動、若桜鉄道の日(毎月14日)、駅と周辺の整備などを行ってきた。沿線自治体のイメージイラストを車両に描くなど、工夫もみられる。
 毎年赤字続きで、経営は厳しい。2002年9月に運賃を値上げした。(2003年7月記) 
 
 この19年間で大きく変貌を遂げた。鉄道の存続のために、「観光」に注力することを明確にし、沿線自治達の全面的な支援のもとで努力していることがよくわかる。ローカル鉄道を存続する一つのモデルケースである。(2022年3月記)

 

2022年3月 2回目探訪
     
 鳥取駅は高架駅 車両は新しい   木製で暖かい雰囲気
     
 郡家駅にて 八頭高校前駅   八頭高校の紹介 
     
 菜の花 レトロな駅舎    
     
 客車 レトロな駅  枕木も交換している 
     
 新しい交換設備 昭和を感じさせる車内  八東川橋梁 
     
庇が新しい  やや新しい駅舎  落石防止 
     
 若桜駅 若桜駅 はやぶさ号  若桜駅 駅員さんは見えない 
     
 観光客向け 蒸気機関車    
     
  給水塔    客車 
     
転車台が復活  軌道バイクも    
     
 駅舎内 駅舎にカフェあり  レトロな駅舎 
     
 若桜駅  若狭の街なみ   役場にあった横断幕 
     
 若桜駅 若桜駅  若桜駅 
      
 それなりに乗降あり 車掌さん    

 見て感じたこと
@ 1時間に1本。20年前より増便されている。
A 新しい車両3両(2020年新造)。車内は気を遣ったデザイン。床も。
B 3つの駅をリニューアルした。
C 線路沿いに菜の花が咲いている。
D 1日フリー乗車券あり。720円。
E バラスト、PC枕木と保線も行われている。
F 平日にもかかわらず子ども連れの家族が乗車している。
G 信号機などインフラの手入れもよい。
H 若桜駅舎にカフェあり。繁盛している。
I 若桜町をはじめ沿線自治体は合併していない。
J 若桜町の若桜駅徒歩圏内に、昭和の町並みが残っている。
K 鉄道グッズはあまりない。
L 沿線自治体が全面的に支援していることがよくわかる。
M 蒸気機関車も運行し、観光で鉄道を維持することを明確にしている。

2003年7月探訪
 若桜行きのJR気動車(鳥取駅)  96年新設の八頭高校前駅  八東川の広い谷を走る
 若桜駅改札口の立て看板  若桜駅構内の旅行センター  若桜駅は山間にある
 終着駅の若桜駅 「若桜駅にはSL時代の給水塔とターンテーブルが残る。  若桜駅入り口にある看板
無料貸し自転車の案内(若桜駅)  「さくら4号」と車両の名前あり  鳥取乗り入れが11往復中7往復
沿線自治体のイメージイラスト入りの車両  セミクロスシートとビニールのヘッドカバー  
若桜鉄道 2000年度
設立
営業
キロ
旅客輸送人員(千人) 輸送密度
(人/日)
鉄道営業収入(千円) 営業損益(千円) 収支係数 全事業経常損益(千円) 出資者
1987 19.2  65.8  866 106,503 ▲38,992 136.6   若桜町、八東町、鳥取県、鳥取市、船岡町

見て感じたこと
@ 鳥取駅への乗り入れで何とかもっている鉄道である。八東川のわりあい広い谷を走るが、沿線人口はわずかに3万人弱である。終点の若桜駅も始点の郡家駅も周辺に繁華街があるわけではない。
A 高校生の利用が目立った。八頭高校と鳥取市内の高校に通う。
B 全部で11往復、日中は2時間に1本と、本数が少ないので、利用はしづらいだろう。
C 沿線に観光地はないし、車窓からの眺めもよくない。
D 若桜町が鉄道のためにがんばっていることは、よくわかる。乗車運動月間をつくり、若桜鉄道の日(毎月14日)を定めたり、駅にトイレを新設したり、いろいろ力を入れている。
E 車両は4両のみ。沿線自治体のイメージイラストを車体に描いている。
F 鉄道の記念グッズは販売していない。
G 駅に待合室には本棚がある。

 若桜鉄道のホームページがあります