私鉄から第3セクターに・電車から気動車に
2002年6月探訪

  
  無人になった石越駅        タブレットを持つ駅員     木を使ったレトロ調車内
  
 宮城県民の共有財産      「栗原電鉄」時代のもの  沢辺駅と「栗駒高原駅」シャトル

    
  老朽化した沢辺駅         使われなくなった電車      今も残る架線用支柱

 東北線の石越駅から細倉マインパーク前駅まで25.7qを結ぶ、宮城県北部の第3セクター鉄道です。栗原電鉄が1993年に沿線5町と宮城県の経営となり、「くりはら田園鉄道」と社名も変更されました。その時に電車から気動車に転換されましたが、現在も架線用の支柱はそのまま残されています。
 6月に訪ねてみて、鹿島鉄道以上に、沿線の環境は厳しいと感じました。旅客輸送人員が26万人、輸送密度284人、約6千万円の赤字(以上平成11年度)、どのデータをみても厳しい経営環境にあります。日曜日の午前に石越駅で乗車したのは私一人でした。若柳駅(本社所在地)で途中下車し、終点まで往復した車両も乗客が5人を超えることはありませんでした。沿線はすべて田園地帯、途中に栗駒高原の入り口に当たる駅があり、東北自動車道と東北新幹線を横切ってはいるのですが、乗客増とは結びついていないようでした。
 有人駅は3つ。記念グッズをいろいろ発売していました。定規、巾着袋、パズル、タオル、80周年記念乗車券、硬券乗車券セットなど。くりでんサポーターズクラブもあり、会員を募集していました。経営努力もしているようでした。沢辺駅(有人)からは東北新幹線「栗駒高原駅」までの連絡シャトルバスも出ていましたが、乗客は私一人。沢辺駅前には仙台行きの高速バス(2時間おき)が待機していました。
 沿線自治体が来年7月に存廃を検討することになっているそうです。歴史あるローカル私鉄をどのように存続させるか、よいアイデアはないものでしょうか。