茨城交通 朝は3両編成の気動車も走る茨城県のローカル私鉄
2003年6月に探訪

  茨城県中部のひたちなか市を走る気動車路線である。常磐線勝田駅から太平洋岸の那珂湊(歴史のある港町)を通り、海水浴場の阿字ヶ浦を結んでいる。正式名称は「茨城交通湊鉄道線」で、茨城交通は茨城県では大手のバス会社であり、鉄道部門の営業収入は全体の3%程度である。1995年以降、新型気動車を2両投入したが、古い気動車も活躍している。朝は通学生のために3両での運行もあるが、乗客は漸減傾向にある。合理化を進めているが駅員さんもわりと目立ち、駅なども古いがきれいに保たれている。現在は収支が均衡しているが、設備投資が必要な時期を迎えているように思う。

 改築されたJR常磐線・勝田駅 JR勝田駅1番線ホームの入り口  90周年記念乗車券のポスター
 スーパーひたちと並ぶ気動車  高校生がたくさん降りる殿山駅    終点の阿字ヶ浦駅
阿字ヶ浦駅の車両利用の更衣室 「縁起のいい切符」のポスター  国鉄から購入した気動車の車内
 家並みを走るところもある  アクアワールド大洗との周遊チケット  那珂湊駅構内・券売機
安全性向上をPRするポスター  那珂湊駅待合室には絵を掲示 茨交ツーリストの看板と那珂湊駅 
 当時の塗装に戻った旧型車両    新型車両の車内  勝田駅内にある時刻表
茨城交通 2000年度
設立
営業
キロ
旅客輸送人員(千人) 輸送密度
(人/日)
鉄道営業収入(千円) 営業損益(千円) 収支係数 全事業経常損益(千円) 出資者
1944 14.3  88.8  1,457 274,064 ▲22,783 108.3   竹内成一、三洋商事、日立電鉄、常陽銀行

見て感じたこと
@ 朝の通学列車は3両編成である。乗客は高校生がほとんどなので、これからの経営は厳しいだろう と思う。
A 駅員さんをよく見かけた。人を削減するという方向の合理化ではないのことに、ちょっとホッとした。
B 那珂湊市と勝田市との合併によって誕生したひたちなか市内の鉄道になってしまったので、これか らは市との共同が大切であろう。
C 阿字ヶ浦というわりあい有名な海水浴場が終点になっているので、もっとそれを有効に利用しては  どうかと思う。
D アクアワールド大洗(水族館)への周遊チケットを発売するなど、工夫している。各種の記念乗車券や縁 起のいい切符も発売し、努力している。記念グッズなどのポスターもたくさん貼ってある。
E 駅や車両がきれいに手入れされている。
F 車両の安全性やバリアフリー法への対応を宣伝するなど、世の中の動きを考えて努力している。
G 駅舎や設備は古くなっているので、改良の必要な時期が来ていると思う。鉄道をこのまま維持する かどうかを決断する時期が迫っているのかも知れない。

 茨城交通の公式ホームページあり